The Book
ジョジョの奇妙な冒険第4部の番外編。
時系列的には吉良編終了後のお話*1。
The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜
- 作者: 乙一,荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/11/26
- メディア: 単行本
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スタンド同士の戦いや既存キャラの台詞はまさしくジョジョのそれ。
しかし、ストーリーの展開や、オリジナル人物像はジョジョというよりは、まるきり乙一のオリジナル作品。
単なるノベライズに終わらず、作者の個性を出し、かつ元の作品の世界観も壊さない。
作者の能力の高さがわかり、またジョジョをよく理解し、愛しているのもわかります。
特にあの「あぁそんなのあったね(笑)」ということになっているあの伏線を、本編に絡めてきたのが凄かった。
おそらく荒木先生でさえ、あのネタを絡めて作品を作るとなれば難しいでしょうに。
ネタでいえば、他にもジョジョに関する皮肉めいたネタや、原作を読んでいればすぐに「アレか」と気づけるネタが散りばめられています。「アレはあのスタンド能力の話だなぁ」と思い出してニヤニヤすること請け合い。
あと、一見しただけだとデザインを重視しただけに見えるこの本の装丁。
しかし、中盤近くまで読み進めてみると、これが「挿絵」代わりになっていることに気づくはず。
これに気づいたのは実は読み終わって本を閉じた時なんですが、この完成度の高さに感動を覚えました。
この本は1500円という値段ですが、これは間違いなく安いと感じました。
むしろもう少し値段をあげて、本の装丁に凝ってもらってもよかったぐらいです。
どうせこの本を買うのはジョジョマニアばかりでしょうから。
*1:登場人物に承太郎が居ないことから考えて