SIMPLE2000シリーズ Vol.43 THE 裁判~新米司法官 桃田司の10の裁判ファイル~ 其の2

Q? : 何故、SIMPLE2000のボリュームなのに1回で終わらなかったの?
A! :前置きがこのレビューの全てだから。


では、さっさと終わらせます。

グラフィックについて

キャラは全員2Dで描かれています。
しかし、メイン背景となる裁判所と事務所は、なぜか3Dで描かれています。


事務所のほうはあまり気にならないのですが、裁判所のほうは安っぽくて雰囲気が出てません。
3Dで表示せずに2Dでやった方が統一感が出て良かったと思います。


2Dのほうには特にマイナス点はありませんし、プラス点もありません。


システムについて

捜査分析モードで証拠を集め、裁判モードで集めた証拠を使い裁判に勝利する。
ゲームの流れは逆転裁判とほぼ同じです。

捜査分析モード

時間制限がついていることと、アイテムをつきつけられない以外はほぼ逆転裁判と同じです。
時間制限は、まず時間切れになることはないので気にしなくてもよいです。


問題はフラグ管理の甘さです。
PS2用なんだし、もっと細かくしてくれても良かったと思います。


「おぉ、よいところに来た。とんでもないことがわかったぞ」
なんて聞いてもいないことを何回言わせれば気が済むのですか?


こんなのは1回で十分なのに。


あと、移動はマップから場所アイコンを選択する方式なのが○。
逆転裁判だと、移動場所を文字だけで選ぶ方式だったので、これはわかり易くて良いです。


裁判モード

こっちは逆転裁判の法廷パートとはかなり違っています。
まず、このゲームでは無罪を勝ち取る、ということが目的ではありません。
裁判に勝つことが目的です。


裁判も民事、刑事どちらもあります。


そして、この裁判に勝訴するには陪審員の数が全てです。
陪審員の数は全部で11人。なので、6人こちら側につければ勝訴になります。



次に、このモードでは相手のセリフを「突っ込む」ことで進行していきます。
「え、逆転裁判と同じだろう?」
違います。このゲームでは証人だけでなく、相手の検事のセリフにも突っ込むことができます。


というよりも、証人よりも検事のセリフに突っ込むことが基本になります。


ちなみに、突っ込むと


「証拠品を見せる」
「それは本件とは関係ない」
「もうちょっと詳しく発言してください」*1


の3つの選択肢が出ます。
これを制限時間内に選択します。


間違った選択をすると陪審員が向こう側についたりします。


このモードは中々難しかったりします。
たまに基本的な法律知識を知っていないと、突っ込めなかったりします。
なので、プレイする時はGoogle等の検索サイトを開けておくことをオススメします。


問題点。
このモードの最大の問題点として、「裁判モード中は資料が確認出来ない」というのがあります。
このため、今突っ込むべきかどうかの判断が非常にし辛いです。
正直、これはあり得ないと思います。



ちなみに、アメリカの陪審員制度では、陪審員の入れ替えを弁護士が出来たりします。
なるべく自分側に有利な陪審員を入れたり、不利になりそうな陪審員を排除したりできるワケです。


そして、このゲームではアメリカで裁判をする時に、それをすることが出来ます。
しかし、それはイベント扱いで自由に決められなかったりします。
これは非常に残念です。


これを裁判ごとに出来たなら、かなりおもしろいゲームになっていたのではないでしょうか。


シナリオ

薄いです。
パッケージの後ろに「推理小説や法廷小説ファンも納得のドラマティックなシナリオ〜」とか書いてありますが、ありえません。


あやまれ! 推理小説や法廷小説ファンにあやまれ!!


総括

値段と照らし合わせると、まぁ妥当な出来だと思います。
「裁判」モノのゲームということで、逆転裁判をイメージして買うと痛い目にあうので注意。


暇しているなら安いのでオススメ。
なお、展開がたまにすっ飛ぶこともあります。ご了承ください。


なんだか、書けば書くほどクソゲーっぽく聞こえてきますが、これはクソゲーじゃありません。


なぜなら、クソゲーはこんなもんじゃないからだ!

*1:選択肢の内容はこんな感じです。ゲーム内では関西弁で書かれています